21 学ぶ

「学ぶとは真似る事で有る」 と言われる。

一理有る。

武術やスポーツを学ぶには師匠、名プレーヤーの動作を観察しその動作を真似る事を好とする。表現は悪いが、技を盗むとも言う。

しかし、この事には気を付けなければならない点が有る。

未熟な者が、熟練者の技を見て同じ様に行おうとしても外見だけの真似事に終わってしまう。

例えば書道で楷書(基本)を学ばない者が、師匠の草書を見て真似をしようとしても同じものは書けないであろう。

太極拳もこの例えと同じ事が言える。

最近は容易に陳小旺老師の表演をユーチューブ等で見る事が出来る。

そして、その動きを真似る。しかし、太極拳の理解の浅い者が表演動作だけを真似ても決して太極拳は解らないであろう。

例えば、陳老師はご自分の表演では、老架の斜行拗歩で身体を斜め前方に倒す時に右肘をかなり上げる。しかしその真似をすると普通は身法とのバランスが悪くなる。総合的な身体のバランスが有ってこそあの腕の使い方が出来る。

その証拠に老師は指導する時は、肘を余り上げさせない。

掩手肱拳の打つ方向は歩型で変わる。

新架の倒巻肱の腕、身体の開く方向も足腰の開き方で微妙に異なる。等々。

要するに上下のバランスである。

陳老師は指導している時の動きと、ご自分の表演とでは表現が小円から大円に変わる。

また、普及用套路(制定拳)と伝統拳では同じ技でも難易度が異なる。

私も、生徒個人のレベル、套路のレベルに合わせて指導方法を変える。

老師の表演を参考にするのは良い事である。しかし、上記の事を理解した上で学んでほしい。

重道