私の太極拳史考 7

陳小旺老師の答え ②

老師の答えは、

君の太極拳レベルは「二層です」。当時、私はその言葉を聞いて落ち込んだ。

老師の下で学び7年は過ぎていた。きつい練習にも耐えてきた。表演競技でも老師の弟子として恥じない成績をあげてきた。

正直、三層には入っていると思っていた。

一度は落胆したが、後にその老師の答えの意味がわかった。

太極拳の真の理解は套路の練習だけでは得られない事。今のままの練習を続けていても三層にはなれない事が。

私に足りなかった練習は、推手である。太極拳論にも有る、「套路と推手は車の両輪の如く」両方を同時に学んで行かなければならないと言う意味で有る。

これまでにも、推手の練習は行ってきた。推手を学ぶとは型だけでなく、その用法に精通しなければならない。

私は推手の習得に励む事を決心した。そして、実践推手の実力を試す中国の推手試合に出場する事を!

後に私は2003年に開催された国際太極拳年会の推手試合に出場する。その手記は、国内の中国武術雑誌「武術・うーしゅう」(現在は廃刊になった)に掲載された。後日、HP上に掲載する予定。

続いて、私は老師に尋ねた。老師は現在、何層ですか? 師に対して失礼な質問かもしれないが、当時の私と老師の間では何でも語り合う事ができた。

老師は答えた「四層」。

私はまた尋ねた。老師の知っている方で五層までいった人はいますか?

老師は答えた「陳発科(老師の祖父、陳氏太極拳第17代)」。

当時の私は陳小旺の愛弟子として自負するものがあった。

陳家太極拳伝承者としての名前(重道)もいただいた。

そして老師から送られた言葉「君は私の日本の生徒の中で一番の実力を身につけた」そしてこうも語られた。

君を私のファミリーとしと認め、君の行う事(陳式太極拳の普及活動)は全面的に支持をする

私は心からこの老師の言葉に感激し、これまでの苦労が報われたと思った。しかし、その実力は、二層。

私は、ここから再出発。三層を目指す練習を開始した。